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自分の幸せを追求した先に、必要とされる場所を見つける

※この記事は、書籍『プロハ夢手帳』の記事の抜粋です。ご購入は こちら からお願いします。

目次

好きなこと、自分の価値観を突き詰める

2017年6月にシニア同居地域開放型シングルマザー下宿「MANAHOUSE上用賀」を世田谷区上用賀にオープンしました。2階がシングルマザーのシェアハウスで、1階は地域のシニアや会員の方が利用・交流できるサロンと地域食堂になっています。私も管理人として同居し、朝から夜まで、子ども達やママと色々な話をしたり、遊んだり、保育園のお迎えや運動会を見に行ったり、共に過ごしています。

4月に東京新聞の取材を受けて記事になり、LINEニュースのトップに記事が上がりました。紙媒体よりもフェイスブックやクラウドファンディングの投稿シェアなどウェブ媒体からの問い合わせが多く、オープン後から続々と入居者が集まり、現在は、子どもが7人と大人7人が各部屋に住んでいます。クラウドファンディングは「ひとり親の子どもをHAPPYに、シングルマザーの下宿を作りたい」というタイトルで、オープン前の2ヶ月間行いました。個別の振り込みもあり、最終的には520万円程集まり、足りなかったぶんの工事代も補てんできて、400人弱の方に応援していただき、目標を達成することができました。

出会いが「やりたいこと」を加速させる

2015年の7月に、独立企業して不動産外車をつくろうと、弦本ビルで会社登記しました。不動産の仲介や、民泊を1年ほど事業として行なったり、子供に想いを持っている人をつなげる勉強会や交流会をやっていたのですが、途上国の貧困を知りたくてカンボジアに2回ほど行きました。そこで出会った経営者の方に、やりたいことを実現するために顧問として面倒みてもらうようになったことがきっかけで、今回の事業を作りはじめました。ブッケンは渋谷区など、まずはキャッチーなところでスタートしようと都心で探していたのですが、たまたま見つかったのが世田谷区上用賀の物件でした。建物の改修も、デザインが全部私がやっています。ベースの躯体の部分はプロに頼みましたが、あとは経費削減で、自分で壁紙を貼ったり、みんなでペンキを塗ったりしました。やりながら入居予定のママからも意見をもらって、こうしよう、と変えていったところもあり、色々な人を巻き込みながらみんなで作り上げていきました。

やりたいことがわからない時期

私は埼玉県出身で、高卒。末っ子で兄と姉がいて学費がかかっており、親からは家にはお金がないと言われ、勉強嫌いだし、進学もしたくないと考えていました。卒業式も進学せず、ギャルのサークルの代表をやったりその顧問がやっている広告代理店を手伝ったり、キャバクラで働きながら適当に派遣で生活費を稼ぐような生活でした。好きな事の夢もなく何となく生きていました。その後、人間関係やパワハラ、摂食障害等が重なり心が病んでしまって、全てをシャットダウンして半年間家にひきこもったのが19歳のときです。生きる気力がなく、ぼんやりと死にたいと思っていました。20歳になり、成人式があったり、なかなか死ぬ勇気もなく「死なないなら働こうかな」という流れで働き始めました。初めに働いたのが、携帯ショップ。そこで2年程働いて、働くことが楽しくなり、もう少しステップアップするために不動産屋に就職しました。そこで3年9か月の間、賃貸の仲介で営業をやっていました。仕事は楽しくて、接客と営業、リフォームの提案やクレームの対応、新規の開拓など、いろいろな経験をさせてもらいました。小さい会社だったけれどお客さんに感謝されたり、失敗して怒られたり、自身が成長できる実感があり、やりがいを持って働いていました。しかし2年目以降には「本当にやりたいことはなんだろう」ともやもやしはじめました。

小さい店舗で、ここでも上司のパワハラや人間関係が複雑な環境で。入社する人もすぐ辞めていくような職場でした。店長のやり方に納得がいかなかったことと、営業の数字が良かったのでもうすこし違う大きい店舗で自分がどこまでできるかチャレンジしてみたい気持ち、ほかに何かやりたいことがあるのか、など日々もやもや葛藤していました。ひとまず、宅地建物取引士(宅建)の資格は早めに取っておこうと思い、働きながら資格学校に通って一年目で取得することができました。働きながら勉強するのは大変でした。その後どうするか、キャリアに悩み、転職サイトを見たり、実際に面接に行ってみたりしました。

自分の好きなことに向き合う

モヤモヤした答えを探すため色々な本を読んでいて、その時出会った本田健さんの著書「ユダヤ人大富豪の教え」にとても衝撃を受けました。私の家は昔から、両親がお金のことでケンカをしていて、将来お金のことで困りたくないと漠然と思っていたのでユダヤ人のお金持ちの人は、どんな考えなんだろう?と思って読んでみたら「大好きなことを仕事にしよう」と書かれていたのです。今までそんなこと言う大人私の周りにはいなかったし、これは、お金持ちが言うなら間違いない!ととても納得しました。でも「じゃあ、好きなことってなんだろう?」とうそこから好きなこと探しが始まりました。その時ちょうど、周りの友達が結婚し、生まれた子供たちが、1歳から3歳になっていたところで、地元の仲間でよく飲みに行く居酒屋にも子供がいて。自分の思うまま、素直に生きていて純粋無垢なこどもたちがとても大好きになりました。あとは不動産の間取りや物件を見に行く事がとても好きでした。「こどもと不動産」が好きなことはわかったけれど、「好きなことを仕事にするにはどうしたらいいだろう」と手段に悩み始めました。当時、不動産管理の業務でよく大家さんとお話しをする機会も多かったのですが、大家さんは資産もお金も時間も持っていて、とても豊かに見えました。こどもが好きだけれど、保育士や世の中のこどもに関わる仕事ではまだまだお金を大きく稼ぐ手段がないし、大家さんを見ていて「不動産を所有して資産家になり、お金に困らず、自由に子供に関わることをしよう!」と一見無謀な、漠然とした目標を設定しました。

24歳のときに東京でソフトウェアの開発の営業事務に転職しました。業界内では大手の会社のひとと関わりができたり、仕事以外でもたくさんの人に会おうと思い、誘われた飲み会や勉強会に行き、偏見なく色々な話を聞きました。面白いと思えば行っていたので、多種多様な人のつながりができました。

人生の時間を投資したキャリアだけが力になる

転職を3、4回していろいろな会社の特色や業務を知り学びの機会をいただいたので、転職することはとてもいい経験だと思います。そこで必ず何かを学び、自分のものにするという意識で働くことが大切です。目的を持って、自分の人生を良くするためにその会社から何を学びたいのか。反対に、ただ単に嫌だから転職、というのはあまりおすすめしません。なぜ嫌なのか、嫌なら嫌なりにちゃんと課題を洗い出して、その課題に対し自分が、解決したり挑戦できることないのか、自分と見つめ合い、目的と期限を決めることがいいと思います。

キャリアはやはり活きます。自分が人生の時間を投資した時間として経歴が残りますから、次に何をするにしても、そこを見られ評価につながります。私は一番長いキャリアは不動産業務の3年9か月ですが、その後もフリーで仲介に関わったり業界経験を継続し、今回自身の新規事業の企画で活かすことができました。営業事務で働いた後も、国立大学で就活セミナーを企画している会社を手伝ったりしましたが、普通の会社が向いてないと気がつき、28歳の時に正社員・雇われるのは嫌だと思って、フリーランスになりました。どこにいっても、上司のパワハラに悩みました。憧れたり、ついていきたいと思う上司に出会わず、こんな社会人になりたい、という理想像がなく、楽しそうに働いている人もいなくて、「会社や仕事って楽しくないものだけど、その働き方は嫌だ」と、普通の社会に適合することができないと判断してやっぱり独立しようと思うようになりました。

ちょうど民泊が流行ったところで数件運用を始めました。ひとりで食べていけるくらい売り上げが上がってきたので、会社を辞めて民泊と不動産の仲介エージェントを仕事にしていました。

もやもやしているなら自分のやりたいこと探しを

資格を取るとしても、結局「誰のため」の資格なのかを考えることが大切です。雇われる会社で資格を使うのであれば、その会社の社長や会社を豊かにするためのものではないのか、本当に自分の人生のためになるか考えるべきだと思います。私も秘書検定を受けましたが、会社に受かるために資格を取ったほうが良いだろうと安易な発想でした。自分のやりたいことがはっきりしていれば、それに対して最低限必要な資格がいるかもしれないけれど、もやもやしている状態で資格に走るのは、時間を浪費するからもったいない。自分のやりたいこと探しをするほうが人生の近道だと思います。私の場合、宅建はとって良かったと思っています。学歴は無いけれどがんばった証として残り、宅建をとれるならやればできる人だ、と見方が変わりました。学んだ知識は独立後も活きています。

フリーランスや企業した時もキャッシュフローの計画が全然なく、「なんとなく」で全て進めていました。起業して一期目が終わって、少し利益が出ましたが、法人税と税理士報酬が高く、支払いがとても大変でした。支払いも待ってもらい、必死でまた仲介・営業して。独立するなら、ある程度、お金のことはちゃんと考えておかないと困りますね。

自分を知り「自分の幸せ」を追求する

会社の社長は「自利利他」です。仏教の言葉ですが、まず自分の利益の「自利」、その後に人に対する利益の「利他」。私は仏教徒ではありませんが、まずは自分の利益として、自分を大切にすること。私にとっての自利は、自分の心が豊かであること。私は子どもと不動産が大好きなので、今の事業取り組んでいることは本当に日々心豊かで幸せを感じています。私の場合、自利の先に、たまたま社会性のあることが事業になっただけだと思います。みんなひとや社会に貢献しなければと、利他を先にする人が多いですが、そうではなく、まず自分を大切にして、自分が何をやりたいのか価値観を精査して明確にし、自分の幸せを追求することが先です

私の中の定義では、お金的な余裕も大事ですが、生活するために自分に必要なお金はそれほど多くありません。高級車もブランド品も別に好きじゃないですし、自分の心が豊かで日々自然体に生きて好きなことをして過ごす。それが自利かなと思っています。

ただ、シングルマザー向けのシェアハウスをしていると、よく「かわいそうなシングルマザーに何か支援したい」という問い合わせの声をもらうことがあります。そもそも、かわいそうと見ていることがおかしいと思います。人は皆対等であるし、かわいそうという言葉は自分の生活感や価値観と比べ、勝手に押し付けていうように感じます。弊社の事業はあくまでビジネスであり貧困救済の慈善事業ではありません。ターゲットとしている層は「バリバリ働いてキャリアアップしたい。でも子供1人にして、孤食はさせたくない」という、一緒に子供たちをHAPPYにしたいシングルマザーの方たちです。調査では世田谷区内でも所得では2割以下の層です。強調しておきたいのが、私は、別に助けたいなんてまったく考えていません。むしろ、助けたいなんておこがましいとすら考えています。こども達の幸せは、ママの笑顔や幸せが1番です。そのため弊社はママの仕事や自己実現、心の安定も応援しています。

好きなことをツールに人をつなげる

私は子供たちをHAPPYにするために、家という場所を使って人をつなげ、つながりを作ることをしています。シェアハウスに住まなくても遊びに来るシングルマザーさんもたくさんいて、みんな息抜きに来てくれます。会社でうまくいかない、子供ともなく行かない、心のよりどころがない人が一緒にご飯を食べて、愚痴を言って。ママさんが「うちもそうだよ」と共感したり、情報交換をしたりしています。またシェアハウスにくる男性や、様々な経験をした人と、家庭と全く関係ない話をして社会や地域、人と人がつながる場所になっています。

私は不動産屋として「家」というはこうずっと提供してきました。大家さんの審査で収入とか、シングルの人は大丈夫なの?と言われながら、大家さんが了承した人しか住ませられない。そして家を提供したあとは、あまり接点がありませんでした。私はこの事業で親戚のような、共にこどもの成長を見守りながら、困った時は助け合える「つながり」を提供したいと思っています。今後は、二棟目の物件を探したり、1人で大きな家に住んでいるシニアの余っている部屋を、母子家庭の方に提供したいと思っています。まずは本拠地となる下宿をしっかり運営させてから広げていきたいです。シニアには、1人でさみしい、家が余っている、というニーズがあります。時間も知識もいろいろな財産をお持ちなので、それを困っている方とつなげる。でも、ただのマッチングではなく弊社は不動産というハードを介してつなげていきます。

人生を真剣に考えて、小さく行動をはじめる

学歴がなかったり、社会に適合できなかったり、ビジネスのわからない私がやったことは、自分探しにものすごくもがいたことと、とりあえず行動すること。「やってみる」「見に行く」「聞きに行く」「肌で感じる」「夢を語る」こと。まず行動して、小さく始めて経験値を積んできたということ。小さく始めてみて、失敗しながらできたこと、少し失敗しても、いかにリカバリーをするかで、「できたこと」に自信をつけてやってきました。極端な話ですが、明日でも数時間後でも、いつ死ぬかわからない、人生は短い。自分の価値観を生み出し、心のコンパスに従って、自分のやりたいことを追求していくべきです。他人に用意された会社に受かるための資格を取るとか、人のための人生じゃなくて、自分の人生をどうするのか真剣に考える。今の時代はいくらでも修正が効くから、何歳になってもチャレンジできるはず。もちろん独立や起業はひとつの手段であり、自分のために人生を抱くにできる会社で頑張ったり、フリーランスで働いたり、人それぞれ自分にとっての正解は異なります。自分のなかで、もやもやすることが解決できていないなら、丁寧にちゃんと自分と向きあったほうがいいと思います。例えば親子関係や仕事、自分の性格的なところも。私は「人生を心豊かに幸せに生きる」ことが本当の成功者だと思っています。人を幸せにする前に、まず自分自身を幸せにしてあげなければいけません。いい自分も、ダメな自分も、全て許容してあげること、自分色々な心の声を聴いて、自分と1番の親友になることです。死ぬまで一緒にいるのは他人ではなく自分自身なのですから。すべては「自利利他」です。自分探しと自分を大切にする、それが大事ですね。

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あなたのやりたいことを実現する最初の一歩を踏み出す
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若い世代に読んでほしい、アクションのためのヒントが満載。

この『プロハ夢手帳』は、「やりたいことがわからない」、「自分にあった仕事がわからない」といった悩みを抱える人に対して、やりたいことを見つけ、実際のアクションへの最初の一歩を踏み出すためのきっかけになる「夢のワークブック」です。

これから何かをやってみたい若手社会人や、エネルギーはあるけれど何から始めたらいいかがわからない学生の方に向けて、いま読むべき内容だけを収録しました。

12人のインタビューから学ぶ、行動のヒント。

本書に登場するのは、プロハに関わりのある12人の起業家たち。それぞれの起業体験から生き方のこだわりをわかりやすく語っています。

本書では、それぞれのページに、手書きで文章を書き込めるノート部分を設けました。

文章を読んで、思いついたことを自由に書き込み、「自分だったら何ができるか?」、「自分だったらどう考えるか?」をまとめながら読み進めることができます。

特製ワークシートで自分と向き合う。

本書の章末には、学んだことを整理し、自分の次のアクションを生み出すために、オリジナルのスペシャルワークシートを設けました。本書のワークシートを書き上げて人と対話することで、さらに大きな成長のチャンスを得ることができます。

自分と向き合い、気づきを得るために、ぜひワークシートにチャレンジしてみてください。

誰かが何かを始める/形にする「プロハ」に行こう!

本を読み終わったら、単に読むだけではなく、自分だけのメモが書かれた本を持ってぜひ

神保町のプロハ(TOKYO PRODUCERS HOUSE)に足を運んでみてください。そして、プロハの

メンバーたちと対話してみてください。きっと、かけがえのない時間が過ごせるはずです。

Facebookやtwitter、インスタグラムなどのSNSでのシェアも大歓迎!

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『プロハ夢手帳』で伝えたい想い

『プロハ夢手帳』の出版の経緯

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弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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