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ヨーロッパ周遊記(20100825ベルン→ミラノ)

睡眠を22:30→9:30でとる。起きることを知らないほどの、深い深い眠りだった。スペイン人のおじさんの出て行く物音で目を覚ます。そしてまた一人になった。
電車でも、人生の列車でも、一人ひとりの偶然の居合わせがあって、そしてそれぞれの道に進んでいくんだな。

チューリッヒに到着して、地図をもらって荷物の整理をする。Wi-Fiを探すも見つからなかった。
そして11:30に出発。

水もトイレも無線LANも、無料で利用できるのはありがたい。お金を払ってでも使いたい人がいるのだから、有料にしてもいいものを。

街中で英語が飛び交うのが、なんだか懐かしい。
英語はコミュニケーションのためにある。コミュニケーションを前提にした英会話は大事だけれども、学校の成績のための英語だけだとしたら、もったいない。
もっと海外を身近にしてみたい。日本にこだわらず、海外に積極的に出ていくのもよさそうだ。海外に口座を持ってもいいはずだ。


マッキントッシュのアップルストアで、ホステルワールドの宿の空き状況を確認させてもらって、チューリッヒ湖まで行って返ってくる。

チューリッヒ湖の無料の船には乗らなかった。
だれかとの旅であれば船に乗ったかもしれないが、一人でいるとそこまでの欲が出ない。

駅に戻って、チューリッヒにいるうちに、スイスでも郵便のためにお金が必要になるので、換金をしてしまう。コインは両替できないと言われたけど、1ポンドコインは両替に使うことができた。6ポンドを9スイスフランに換金する。今後もポンドを他の現地通貨に両替していけば良いね。もう、ポンドは使わないから。

チューリッヒからベルンに向けて、14:00発15:00着のICに乗る。
車内で車掌さんにパスを見せる。2等席はパスで無料なのだ。

そういえば、パスと一緒にユースホステルのカードと国際学生証を作ってきたけれど、どこでも使っていない。これは意味があったのだろうか。
車窓からの景色を見て、西日本一周旅行を思い出す。景色は全く違うけど、列車から見える、長く続く外の風景。
うとうとと少しだけ睡眠をとる。14:30→14:45だ。

駅に着いて、インフォメーションにて地図をもらう。
地図をくれたお兄さんが、この街を紹介をしましょうかと、マップに印をつけながら、名所と回り方、所要時間を教えてくれた。なんて丁寧なんだろうか。この街は1時間で見渡せるようだ。

ネットに繋がる場所を探しながら、小売店でハガキを2枚で2.40スイスフラン、郵便局で2枚を3.80スイスフランで郵送をお願いする。
どこの国でも、これだけの値段で海外のはるか遠くにメッセージを届けられるのは、本当にすごいと思う。

なんとかWi-Fiに繋げる場所を見つけて、チューリッヒと、イタリアのミラノの宿を検索する。
しかし、メールやクレジットの入力画面などの、個人情報のあるページは表示できなかった。
よし、仕方がないので宿の予約はなくミラノに行くことにする。
宿の住所を書き写す。今日はどこまで行けるか分からなかったので仕方がない。
駅に戻って、ミラノ中央駅までのチケットの値段を聞くと、16スイスフランだと言われる。
そこで、下の階で両替を済ませる。10ポンド紙幣を15.20スイスフランと交換する。
チケットを購入すると、スイスフランの残りは2スイスフランになった。

それから1時間をかけて、ベルンの街を往復する。
絶景。特に、橋からの川や家の連なり。

熊がシンボルとされている。

帰りにスーパーマーケットに寄って、1.95スイスフランのパンを買って、18:25にプラットフォームに到着する。
電車は18:38に予定通りに発車してイタリアを目指す。
スイスはスペインとの時差はなかった。調べてみると、イタリアもスイスと同じタイムゾーンのようだ。
スイスの教会などの時計は正確な時間を刻んでいなかった。まぁ、古いから仕方ないよね。

日本を飛び出してきたこの旅。
いつ、「ハイ、終わり」って帰っても後悔しないかもしれない。それは、もともと一周することも、そこまでのこだわりではなかったからかもしれない。でも、それだけ思い入れのない旅だと言ってしまうのは悲しい。
僕がこの旅のよさを本当に理解できるのは、もう少し年をとってからなのかもしれない。
そのときに今の経験が財産になっているといいな。

3時間で、イタリアのミラノ中央駅に着く。

やろうと思えば、何でもできる。やろうと思わなければ、何もできない。日本に帰ったらビジネスをしよう。為替と塾と執筆を並行してやる。せっかく頑張って働くんなら、自分のために働きたい。起業しよう。まずは市役所に相談に行けばいいのだろうか。今なら誰に無知を笑われようとも怖くない。未知のものに飛び込める勇気がある。今の俺には失うものも、守るものもないんだ。

別に東京にこだわる必要はない。でも、東京をもっと世界に匹敵する街にしたいとは思う。
目的の達成、夢の実現のために大切なのは意志、戦略、実行力だろう。そして昨日の自分が想像もできなかった今日の自分がいると面白い。

1年後の自分は本当に起業をしているんだろうか。それとも1年後の俺は今の俺を甘かったと笑うのだろうか。
人間には、絶対に変えられない、認めざるをえない真理があると思う。人は眠くなるという真理。時間の使い方や考え方など、普遍的な真理だと思うことも増えてきた。それを羅針盤にして、社会人の人生の街を歩いていけたらいいな。

イタリアの駅に着いて、車内でイタリア警察にパスポートを見せろと言われた。

自分に必要なものは何だろうか?健全な精神と、健全な肉体だろうか。他は何も要らない。パソコンはあったら便利だけど。
お金って本当に必要なのだろうか?どのぐらいあれば充分なのだろうか。
必要だと考えているものに対して「なぜ」を突き詰めていくと本質に迫れるような気がする。疑問を持たなくても、なんとなくでいられる社会ではあるけれど。

人間の必要とするものは、心の求める快楽なのかもしれない。過去を振り返ることが大切。そして、世の中には目指すべき人がたくさんいるはずだ。彼らの生き方を調べてみよう。

どんなに頑張っても、自分にできることや影響を与えられることには限界があるし、会社にできることも社会にできることも限られているはずだ。それであれば、自分の望むように、自分の人生を歩めばいいんじゃないだろうか。他人に評価されるために働くのは馬鹿げている。はるか昔の、はるか遠く離れた場所で、だれが何をしたかなんて、人々の関心にはないんだろう。

人が一番に関心をもつのは自分自身だ。そして恋人、そして家族、友人。

意味があるのか、意味がないのかはわからないけれども、おぼつかない思考とともに旅をするのが今回のテーマ。でも、失うものがないことに気づくと、リスクが把握できて、大胆に行動できるだろう。

リスクは、想像していたほど恐いものではない。それで家がなくなるっていうのだろうか。それで食べていけなくなるのだろうか。ちょっとぐらいの時間やお金の投資なら、失っても大したことはない。ただなんとなくの生活のために、それを維持するのが気持ちいいと思ってしまってはいけない。楽だからといって他のことを考えないでぬるま湯に浸かってしまってはいけない。なにもしないで生きていることはリスクなのだから。

走行中の車内にて、デジカメ、携帯、パソコンの充電をする。座席のシートにはコンセントがあるのが便利だ。

予定に縛られないでいられるのは今だけなんだろうな。来年からは社会人、結婚したら夫、子供が生まれたら父親になるんだ。

つれづれないことを書き起こしているけど、すべてのパソコンの文書も自分の脳みそと直結リンクできる時代が来るのかな。今後どのようなことがあっても、逃げる自分や怠惰な自分とも向き合って、理解して、一緒に進んでいかなくてはならない。やらなきゃいけないことがあるの?なんでやっているの?自分でやりたいと思っているの?と自らに問うのだ。

終点に近付いて、止まりがちにも前に進み、やっとこさ終点のミラノ中央駅に22:00に着いた。
ミラノは地元ではミランって言われるみたいだ。
ここまでで、スイスが一番美女が多かったかもしれない。んまぁ、どこも観光客が多いから比較は難しそうだけど。

夜の移動は効率的ではあるものの、深夜になるのはよくない時間帯だ。インフォメーションセンターは閉まっているので、地図が手に入らない。
地下鉄の改札の近くにある地図で、現在地と目的地を確認しようとしていると、「May I help you?」とイタリア人のお兄さんが声を掛けてくれた。彼に現在地と目的地を教えてもらって、そこを指差して地図の写真を撮る。

さらに、彼の家の方向に近いというので、表に出て行き道を案内してもらう。助かった。
少し話をしながら歩く。彼は日本に3週間ほど観光に来たそうだ。東京と京都と大阪と富士山に行ったらしい。みんな声をかけてくれて優しいし、日本に来たこともある人も多いんだな。

気温は27度。リュックに触れる背中が汗ばむ。
イタリア人にお礼を言って別れた後に、15分ほど歩いて、デジカメの地図を頼りに、すいすいと目的のユースホステルにたどり着いた。
ユースホステルでは、陽気な受付のおじさんに迎えられる。

ここは、5人部屋だと思っていたものの、本来は5人までの団体貸し切りで、1人でも入った時点で、もうすでに埋まってしまっているんだそうだ。
しかし、代わりに甥がやっているというホテルのシングルの部屋を紹介してくれた。

甥のホテルに電話すると、空室があるので、すぐ近くから迎えに来てくれるという。
金額は、甥に頼めば30ユーロぐらいになるだろうと教えてくれた。

おじさんは、ブラジル出身のイタリア人だという。待つ間にイタリアのホテル事情や、中国人や日本人のブラジルへの移民の話などをしてくれた。
この時期はホテルは空いているけれども、来月には国際的な見本市があるため、これから混むんだそうだ。

5分後に、甥がやって来た。わざわざ迎えに来てくれて、さらに車に乗せてホテルまで連れて行ってくれた。
甥の名前はグドビィコと言った。甥のホテルに到着する。
受付でパスポートを見せて、相場は30ユーロのようだったが、もう遅いからということで25ユーロにしてくれる。

車にまで乗せてもらって本当にありがたかった。この旅、初めての一人部屋だ。いよいよ贅沢をしてしまった。
寝るだけと言っておきながら、図々しくも無線LANのパスワードを教えてもらって、彼女と母親にメールをしておく。しばらくネットに繋がらなかったから、心配してたかな。

早速、久しぶりのシャワーを浴びる。1時間ぐらいかけてしっかりと。
そして、今日は一人なので部屋で残金を数える。

日本円で227,248円、2,059.47ユーロ≒221,103円、167ドル≒11,426円、146.30ポンド≒19,082円、0.05スイスフラン≒4円、合計は478,863円

もちろん数え間違えの可能性を含むのと、さらに携帯電話代とクレジットカードの代金があるため10万円以上の引き落とし分がある予定だ。

洗濯物を水洗いして、干して扇風機を当てて乾かすことに。しかし、そこまでは乾きそうにもない。
プライベートの空間を大活用して、荷物の手入れと整理をして、堂々と部屋に置いておく。
爪切り、耳の掃除、ゆっくりした一人の時間だ。誰のことも気にしなくて良い空間は久し振りだ。
3:00。おやすみなさい。

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。