キャリアは自分で考える時代に『未来は5マスで考える』(無料公開①)

目次

プロローグ あの人はなぜ「自分らしい働き方」を実現できるのか

会社に人生を捧げるだけの時代は終わった

労働環境が大きく変わりつつある

「業務が忙しくて自分とゆっくり向き合う時間がない」

「仕事が充実していて先のことを考える必要性を感じない」

このような方も多いかもしれません。

これまで、あなたのキャリアは会社が考えてくれたので、それに従うだけでうまくいったかもしれません。

しかし、企業の寿命はどんどん短くなり、個人の人生に責任を負うことができなくなってきています。

近年は変化の激しい時代に突入しています。テクノロジーの進化とグローバル化の加速によって、これまで存在していた仕事がなくなることもあるでしょう。

そして最近は、急激な感染症の流行やそれに伴う経済の不安、戦争や地震などの災害のリスクもあります。そのような先の見えない状況のなか、必ずしも会社はあなたを守ってくれないのです。

特に、日本では労働人口の減少や少子高齢化により人材不足が続いています。働き方が多様化するなかで、働き方改革の波もあり、現在のワーカーはかつてないほどの効率性と生産性が求められています。

実際に、大量の人材を雇う余裕がなくなり、新卒一括採用や終身雇用、年功序列などの従来の制度を廃止する企業も増えてきました。プロジェクト単位で成果に応じて報酬を支払う仕組への移行が進んでいるのです。

年金や医療などの社会保障も、政府がいつまで維持できるかわかりません。むしろ増税の可能性もあります。チャンスが万人に平等に与えられる時代ではなくなってしまうかもしれません。

「個人」が主役となる時代へ

すこし驚かすようなことを言ってしまいましたが、会社に縛られる人生を送らなくてもいいという意味では、自分でやりたいことを選べる自由な時代とも言えます。

新型コロナの感染拡大をきっかけにリモートワークが導入され、働き方を見直した方も多いでしょう。副業をはじめる人も増え、会社員としてではなく個人で収入を得る人も増えてきました。

これまで以上に個人の自律が求められることは間違いありません。僕たちは、仕事も人生も自らデザインし切り拓いていく必要があるのです。国も個人に対してキャリアを考え直す機会を提供しています。個人事業主や副業を支援する制度も整備が進んでいます。

あなたがどのようにキャリアを実現していくのか、本書で一緒に考えていきましょう。

まとめ

●企業が個人のキャリアを考えてくれる時代は終わりつつある

●自分の人生は自らデザインし切り拓くことが求められている

「自分らしく働いている人」をイメージしてみよう

自分らしさを発揮できるのはどのようなときか

自分らしく働くにはどうすればいいのか。

個人ごとにその答えは違うと思いますが、ひとつ言えるのは、「やりたいこと」で収入を得るのが大事だということです。

様々な制約により、やりたい仕事ができなくなるのは誰だってつらいものです。やりたくないことや興味のないことは無理矢理がんばっても成果は出にくいでしょう。

興味のあることや好きなことであれば、何も言われなくてもがんばってしまうのが人間です。一人ひとりが自分の「やりたいこと」をみつけ、それでお金をもらえる状態こそ、個人にとっても社会にとっても理想の状態と言えます。

「自分らしく働いている人」の共通点とは

あなたのまわりにも「この人、自分らしく働いているな」と感じる人はいないでしょうか。僕が思う「自分らしい働き方」をしている人の共通点は、次のようなものです。

・「やりたいこと」がはっきりしている

・ポジティブでワクワクしている

・会社に頼りきりではなく、自分で人生をコントロールしている

・過去にやってきたことと、未来のビジョンが一貫している

自分のやりたいことがわかっているからこそ本気になれる

自分らしい働き方ができている人は、自分のことがよくわかっています。だからこそ前向きに取り組むことができるのです。

そういう人は、まわりを巻き込むのも上手です。純粋な気持ちで行動するため、まわりもつい応援したくなってしまうのでしょう。

僕たちが目指したい「自分らしく働いている人」は、こういう人たちなのです。

まとめ

●「やりたいこと」とお金が両立するのは理想の働き方といえる

●自分のやりたいことがわかっている人は自分らしく働いている

「やりたいこと」ベースではじめる”小さなプロジェクト”

会社を辞めなくても「やりたいこと」はできる

生きていくためにはお金が必要です。本業の会社をすぐに辞めても大丈夫という方はほとんどいないでしょう。

では、今やっていることを辞めずに、どうやってやりたいことと収入を得ることを両立するのか。方法はいくつもあります。

会社員として働いている方であれば、「副業」がひとつの選択肢になります。

学生や主婦(夫)、シニアの方であれば、好きなこと・得意なことでの「起業」が選択肢になるでしょう。あるいは、あえて本業の中に「やりたいこと」を見出すのもいいでしょう。

「副業?起業?そんなおおげさなことをするのはちょっと…」

「そもそも副業は会社で禁止されているからできなさそう」

と思った方もいらっしゃるかもしれません。

大丈夫です。「副業」「起業」という言葉を使うとおおげさに感じられるかもしれませんが、選択肢から選ぶことよりも今の取り組みを見直すことが重要です。ようは「今やっていることを見直して、別の新しい取り組みをはじめてみるか、気持ちをあらたにがんばるか」ということです。

最初はやりがいを重視しよう

もちろん、将来的にはお金を生み出せるようになるところまでもっていくのが理想です。しかし、最初から収入を得ることを意識する必要はありません。

なぜなら、お金を目的にしてしまうと、会社に雇われて働くのと同じになってしまうからです。「自分らしいキャリア」を実現したいなら、いちばん大切なのは「やりたいこと」からはじめることです。

まずは小さくはじめよう

最初のうちはお金を目的にしない“起業準備中”のつもりでいるのがおすすめです。

オフィスがなくても、まずは自宅やレンタルスペースからはじめましょう。パソコンやスマートフォンなどの通信機器もプライベートで使用しているものを使用できます。仕事で使用した分は経費として計算することができるのです。

プロジェクトを小さくはじめる方法は第3章でも紹介します。また、実際に経費として計算する方法や事業をはじめるときの開業の手続き、利益が出たときの税金などについては付録1でも詳しくふれます。

「やりたいこと」ベースで今すぐはじめられるくらいのサイズであれば、リスクも限りなく小さくできるのです。

小さなプロジェクトを複数行うのもおすすめ

小さなプロジェクトは、複数を並行するのもおすすめです。変化の激しい時代だからこそ、なにが当たってなにが外れるかわかりません。

複数を小さくはじめておくことで、時間やお金の細かいバランスを調整し、どれかがだめになっても他のものに簡単にシフトすることができます。

まとめ

●自分らしく働くには、お金より「やりたいこと」から考えよう

●プロジェクトを小さくはじめれば、その分リスクも小さくなる

本業を持ちながら別のことに取り組むメリット

本業以外のことをはじめるメリットはたくさんある

本業の仕事をしながら別のことに取り組むのは大変だと思うかもしれません。しかし、「本当にやりたいこと」であれば、あまり苦には感じないものです。

むしろ、自分の人生を自分でコントロールしている感覚が得られ、毎日が充実するはずです。

本業と別のことをはじめるメリットは、主に2つあります。

1 オーナーシップをもって取り組める

会社から与えられる仕事のなかには、あなたがやりたくないことや苦手なこともあるはずです。自分はやりたくても「会社にとってプラスにならない」などの理由で諦めることもたくさんあるはずです。

一方で、やりたいことベースではじめる小さなプロジェクトでは、あなたがやりたくないことをする必要はありません。

また、一番の目的はお金ではないので、「赤字になってもやりたい」「時間がかかってもやりたい」というあなたの“想い”を優先させることができます。判断の基準や決断はすべてあなた次第。あなたが主役となって物事を進めることができるのです。

2 得た知識や経験を本業へ活かすことができる

本業と別の活動をはじめて、本業のほうもうまくいくことは珍しくありません。

僕の例では、本業のリクルートで不動産メディアの運営をしていたときに、自分でも実際に不動産を買ったり売ったりしたことで「お客さんの気持ち」をリアルに想像できるようになり、本業での企画に役立てることができました。

また、副業でビルのコミュニティを運営した経験から、人材支援をしたいと気づき、本業でもメディア運営から組織開発の仕事へと移ることになりました。

社内でも「面白い副業をやっている人」というキャラができ、副業が”2枚目の名刺“となりました。

副業がうまくいくと、本業でも成果を出したくなるかもしれません。オーナーシップをもつ経験で身についた、主体的に考えて行動する習慣や知見を活かすことで、本業でも「自分の仕事」として取り組めるようになり、成果が出やすくなるのです。

まとめ

●本当の意味でのオーナーシップは雇われ仕事では手に入らない

●副業や別の活動で得た知識や経験は本業に活かすことができる

『未来は5マスで考える』書籍紹介

「一人ひとりの可能性をもっと世の中に!」をコンセプトに、副業で複数の事業を起業し、数万人と出会いキャリアを応援してきた筆者が提唱する「5マス式キャリアマップ」

5マスのキャリアマップと18枚のワークシートで、小さなプロジェクトのアイデアを見つけて、「やりがい」と「お金」を両立する自分らしい人生を実現しよう!

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

『未来は5マスで考える』目次

はじめに

プロローグ あの人はなぜ「自分らしい働き方」を実現できるのか

会社に人生を捧げるだけの時代は終わった
「自分らしく働いている人」をイメージしてみよう
「やりたいこと」ベースではじめる”小さなプロジェクト”
本業を持ちながら別のことに取り組むメリット

第1章 「5マス式キャリアマップ」で自分らしいキャリアを描こう

「5マス式キャリアマップ」とは
5マス式キャリアマップでキャリアの種をみつける方法
小さなプロジェクトの実現に必要な5つの力
「つながる力」が大事な理由
自分を振り返る時間をつくろう

コラム1 僕の人生は「人に会いにいく」ことで変わった 〜同期100人全員に話を聞いて〜

第2章 過去と現在を振り返って「あなたのキーワード」をみつけよう

キャリアの可能性の扉を開こう
ワーク1 自己紹介シートからのキーワード連想
ワーク2 人生のキーワードのリストアップ
ワーク3 人生のモチベーショングラフ
ワーク4 「自分のため」になった瞬間リスト
ワーク5 「誰かのため」になった瞬間リスト

コラム2 「小さなプロジェクト」をいくつも経験して“やりたいこと”を極めていった 〜イベント開催、沖縄への教育実習生派遣、高専生の就職支援〜

第3章 やりがいとお金を両立する「キャリアの種」をみつけよう

自分の可能性に気づく旅へ
ワーク6 「人生の4つのL」で描く未来のビジョン
ワーク7 キーワードの整理
「自分のため」か「誰かのため」かを見分けるヒント
ワーク8 各マスで共通するキーワード探し
ワーク9 「自分のため」と「誰かのため」の両立
オリジナリティのあるテーマに発想を広げるヒント
ワーク10 新たにはじめることリスト
プロジェクトを小さくはじめるヒント
ワーク11 新たにやめることリスト
ワーク12 「どうしてもやめられないこと」の見直し

コラム3 「想いを共有できる場」をもつと夢はどんどん実現していく 〜ビル1棟でコミュニティづくり〜

第4章 「お金」と「収益化」について考えよう

ワクワクするものにお金を使おう
経験することに価値がある
お金は「ありがとう」を形にしたもの
やりがいとお金を両立する収益化のコツ
知っておくと役立つ「ビジネスモデルの基本形」

コラム4 出会いとつながりを120%活かすための「メモ習慣」 〜なぜアイデアが次から次へとわいてくるのか?〜

第5章 行動しながら自分らしいキャリアを実現しよう

実際に行動しながら形にしよう
「副業禁止」でも、お金をもらわずにはじめてみよう
ワーク13 お手本となる人や商品・サービスのリストアップ
ワーク14 企画提案書の作成
ワーク15 「お客さん」探し
ワーク16 「仕入れ先」探し
ワーク17 タスクの洗い出し
ワーク18 振り返りと改善
小さなプロジェクトがうまくいった先の選択肢
アウトソースするほどプロジェクトは成長する

コラム5 想いを「ビジョンシート」にまとめ、どんどん人に会いに行こう 〜人とつながれば、なんだって実現できる〜

付録1 プロジェクトをはじめるときによくある質問
付録2 プロジェクトの成功に必要な業務と外注先
付録3 ワークに取り組む時間割の例

おわりに

感想やコメントをお聞かせください!

本書の感想は、ぜひAmazonのレビューなどでコメントしていただけたら嬉しいです。積極的に声を取り入れて、よりよいものに改善していきたいと考えています。
また、ブログやSNSなどでの投稿も大歓迎です。「#未来は5マスで考える」とつけてください。ワークシートの内容や、取り組みに対するコメントなどをみつけたら、弦本からも積極的にフォローし、応援をさせていただきます。

もちろん僕に直接ご連絡をいただいても喜んでお手伝いします。

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

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本書に関連する講義を法政大学キャリアデザイン学部にて行いましたので、あわせて参考にしていただけたら嬉しいです!

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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