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自分の人生を振り返るワーク『未来は5マスで考える』(無料公開③)

目次

第2章 過去と現在を振り返って「あなたのキーワード」をみつけよう

キャリアの可能性の扉を開こう

人生を振り返る5つのワーク

この章では、ワークを通じて過去と現在のあなたについて振り返ります。これは5マス式キャリアマップを作るための準備です。

ワークは全部で5つあります。3つめの「人生のモチベーショングラフ」は30〜60分と、少々時間がかかりますが、これまでの人生を振り返るにはうってつけのワークです。どうしても時間が足りずできないという方はとばしてしまってもけっこうですが、なるべく取り組むことをおすすめします。それ以外の4つはそれぞれ15分程度でできます。

この5つのワークでアウトプットしたキーワードを使い、第3章であなただけの5マス式キャリアマップを描いていきます。

ワークにはそれぞれ記入用のシートがついています。本に直接書き込んでもかまいませんが、公式サイトにて印刷用のデータを用意していますので、検索サイトで「未来は5マスで考える」と検索して探してみてください。それをプリントアウトすると記入しやすいでしょう。

記入内容のイメージは、SNSで「#未来は5マスで考える」と検索してみるのもおすすめです。記入例に引きずられてほしくはありませんが、どんな感じで記入すればいいか迷った際に参考にしてもらえればと思います。

自分の人生を振り返るメリット

頭の中にあるものを言語化・可視化することで、自分を客観的にみることができます。いってみれば“健康診断”のようなものです。定期的に自分を振り返り客観視することで、得意・苦手ややりたいことの進捗具合、気持ちの変化、ずっと変わらない思いなどを把握でき、自分のことを深く理解できるようになるはずです。

自分のことがわかると、「次に何をすべきか」が浮かびあがってきます。「自分の進むべき道」「行きたい方向」がわかると、自分らしく働くことができ、日々のモチベーションが高まります。

まとめ

●過去と現在を振り返り、自分のことを客観的にみつめよう

●自分のことを理解して「進むべき道」をみつけよう

ワーク1 自己紹介シートからのキーワード連想

所要時間のめやす:15分

普段の生活からキーワードを連想してみよう

普段から取り組んでいること、活動している地域、気になっていることなど、いわゆる「自己紹介」で話す内容として思い浮かぶ話題は、そのままあなたの人生を表す「キーワード」になります。

ここでは、自己紹介シートのフォーマットで、仕事やプライベートについて書き出してみましょう。思い浮かぶことを順に記入します。

たとえば、「普段やっていること」から得られるキーワードはいくつもあります。仕事であれば「業種」「職種」「業務の内容」「スキル」などです。仕事以外で勉強していることがあれば、それを書いてもよいでしょう。

また、「好きなこと」には趣味や特技などを、最近気になっていることについても思いついたものを書いてみましょう。

最後に今回のワークに取り組む意気込みについても書きます。目的があると意識をもって取り組むことができます。本書で学びたいことや考えたいことについて、言葉にしてみましょう。

ワーク2 人生のキーワードのリストアップ

所要時間のめやす:15分

人生のテーマごとに思いつくキーワードを記入しよう

ワーク1では現在のキーワードを中心に並べました。今度は人生全体に広げてキーワードを洗い出していきましょう。

ワーク2では、あらかじめ用意された7つのテーマに対して、キーワードを書いていきます。「現在の仕事」「過去の仕事」「学生時代」「小中高時代」「幼少期」「家族・人間関係」「趣味・遊び」の7つのテーマで、人生を振り返ってキーワードをリストアップします。

ポイントは、深く考えずに思い浮かぶものから記入していくことです。すべてのマスを埋められなくてもかまいません。当時のスケジュール表や日記、メールやチャットの履歴、カメラロールの写真などをヒントに、過去の記録から思い出してみましょう。

なお、それぞれのキーワードは名詞と動詞に区切って記載してください。名詞には関わる対象の物事や人や、業界やテーマなどがあてはまるでしょう。また、動詞にはその名詞の物事に対して、どのようなことをするかを書き出します。

名詞と動詞に分けて記入することには理由があります。たとえば同じサッカーが好きな人でも、自分で体を動かすことが得意な場合もあれば、観戦や応援をすることが楽しい場合や、分析が好きな場合もあるでしょう。同じ名詞が対象でも、それに対する動詞のアプローチが異なるのです。

また、それらのキーワードに対して「自分のため」と「誰かのため」の度合いを10点満点で点数付けします。点数は後から変更してもかまいません。おおよその感覚で数字にしていきましょう。

ワーク3 人生のモチベーショングラフ

所要時間のめやす:30~60分

時系列でこれまでのできごとと心の動きを振り返ろう

自分の活動の振り返りに効果的なのが「人生のモチベーショングラフ」です。「ライフラインチャート」と呼ばれることもありますが、生まれてから今までの時系列にそって、印象的なできごとや節目となるイベントを書き出し、心の動きを線にします。

心の動きは0%をフラットな状態として、モチベーションが高いときはそれより上の位置、その逆は下の位置に線を描きます。

できごとと心の動きのリンクを確認できるため、あなたにとっての人生のターニングポイントや、人生の浮き沈みの時期を可視化でき、客観的に自分の人生をみつめられるようになります。

「自分は平凡な人生を送っている」と思っている方も、想像以上にいろいろな経験を経て今の自分があることに気づくはずです。

このグラフは一度作ると今後も何度も見直して参考にできるため、時間が許すかぎりぜひ取り組んでみてください。ワーク1、2を見ながら書きはじめると書き進めやすいです。思い出したことがあれば過去のワークのキーワードも更新していきましょう。

ワーク4 「自分のため」になった瞬間リスト

所要時間のめやす:15分

「ワクワク感」「充実感」「没頭感」があったときを振り返ろう

まずは「自分がワクワクするのはどんなときか」「何に充実を感じるタイプなのか」を知るために、過去の経験を振り返りましょう。「自分のため」になる経験の共通点をあぶり出すのが目的です。

仕事でもプライベートでもかまいません。仕事から思い出す場合には「手応えを感じたこと」「成長したこと」「誇らしかったこと」を考えてみましょう。

人生を通じて、やりがいを感じた瞬間や経験をリストアップします。人に自慢できるようなことでなくてかまいません。

また、やりがいを感じたこととは逆に、「やりがいがなかった」ことや、手応えがなかったことがあれば、それもリストアップしてみましょう。

ワーク3のモチベーショングラフで波の高い部分と低い部分のできごとを見返すと、そのときの感情を思い出す手助けとなります。

ワーク5 「誰かのため」になった瞬間リスト

所要時間のめやす:15分

「喜ばれた」「役に立てた」「成果を出せた」経験を思い出そう

今度は、自分ではなく「人」の役に立てたと感じた経験をリストアップします。「誰かのため」になった経験やスキルをあぶり出すのが目的です。

公の場でもプライベートのことでもかまいません。謙虚な性格の方はあまり思いつかないかもしれませんが、人にお礼を言われたり喜ばれたりした経験は誰でも必ずあるはずです。

多くの人に褒められるような経験でなくてかまいません。自分なりに「喜ばれた」「役に立てた」と感じたことを思い出してみましょう。子どもの頃に褒められたことでもOKです。仕事の場合は、いい成果が出て上司や会社から評価されたことや、感謝してお金をもらえた経験も参考になります。

あまり思いつかない方は、家族や友人、同僚などに聞いてみるのもおすすめです。自分では意識していなかったがんばりや、すっかり忘れてしまっていた親切なども、相手は意外と覚えているものです。

ワーク4と同じように、逆に「相手に喜ばれなかった」「役に立てなかった」ことがあれば、それも書き出しておきましょう。

コラム2 「小さなプロジェクト」をいくつも経験して“やりたいこと”を極めていった 〜イベント開催、沖縄への教育実習生派遣、高専生の就職支援〜

いろいろなイベントを開催して経験値アップ

リクルートの同期に影響を受け、事業内容も決めないまま会社を設立した僕。まずはイベント運営からスタートしました。相談した同期から「最初にするならイベント運営がいい」とアドバイスをもらったからです。初心者にもとっつきやすく、人とのつながりも広げやすいうえ、参加費を現金でもらって経費をクレジットカードで決済すれば資金繰りにも困りにくいというわけです。

開催したのは「美大生が描いた絵を展示したバーで芸術について語り合う」「レストランで音大生が生演奏する」「渋谷のクラブでダンサーが踊りを披露する」などのイベントです。いずれも、美大生、音大生、ダンサーといった芸術家やアーティストの卵たちのお披露目の場を作ることが目的でした。

開催場所も「芸術に興味のあるお客さんが集うバー」「使われていないピアノが置かれているレストラン」「クラブがオープンする前の早い時間帯」など、うまく組み合わせれば面白いことができそうだと感じたところを安く借りて活用していました。

沖縄の離島での教育改革プロジェクト

そのほかにも、ユニークなものとしては都内の教育実習生を沖縄の離島に送り込むプロジェクトを行いました。

沖縄の北方に「伊是名島(いぜなじま)」という人口千人強の離島があります。そこで中学生向けに家庭教師をしていた人と知り合いました。彼の話では、島で勉強を教えられる人材が不足しているということでした。

そこで、都内の教員志望の大学生を、夏休みの期間限定で島に派遣するアイデアを思いつきました。島には高校がないため、その島で育つ子どもの多くは島の外へ出て行くそうでした。離島の子どもたちの偏差値が全国平均よりも大きく上回ったら面白そうだと思ったのです。

すぐに都内の大学の学生たちに声をかけ、5人の教員志望者を派遣して、島の公民館で子どもたちに勉強を教えることになりました。メンバーの1人はその後に教職に就いて、その島で先生になるなど実りあるプロジェクトとなりました。

「高専生」の未来を切り拓く進路支援

大きく成功した例としては、「高専生」の進路支援の事業があります。高専とは「高等専門学校」の略で、5年制の工業系の学校です。「ロボットコンテスト」などで名が知られていますが、技術者を育成することを目的として設置され、即戦力となる優秀な技術者が育つため、日本全国の高専生は地元の企業などから人気です。

リクルートに入社した初年度、社内のインターンシップイベントで1人の高専生と出会いました。彼は僕がサポート役を務めたチームの一員で、そのチームがイベントで優勝したため、僕も一緒に米国シリコンバレーへ賞品のツアーに行くことになりました。

その道中で学校や就職のことについて詳しく話を聞き、高専生の「ロボットやゲームを作りたい」といったものづくりへの熱意や能力の高さに反して、就職や進学先にあまり多様性がないことを知りました。僕は「もったいない!」と思い、高専生の進路の幅を広げるために何かできないかを考えたのです。

企画したのは、日本全国の高専生を集めて都内のIT企業を訪問するツアーです。それまで地方の高専生に機会の少なかった「東京のIT企業」への就職の道を拓いたのです。

運営はリクルートの同期に副業として手伝ってもらいました。お互いに本業があり日中に外に出られないことから、企業への営業は別の知り合いへ委託。彼は理系大学生をベンチャー企業へ紹介する会社を経営していたので、彼の営業先に僕たちのプロジェクトも一緒に紹介してもらったのです。

都内の企業にとっては、採用を目的に地方の優秀な高専生に接触できる機会として喜ばれ、1回のツアーで300万円程を売り上げるモデルを確立しました。高専生や学校からも就職先の幅が広がったと感謝されました。この活動は「高専ベンチャー」と名づけ、後に別の法人として切り出しました。

このようないくつもの「小さなプロジェクト」に取り組みながら、僕は自分のやりたいことが「人の可能性を広げる」ことだと気づき、それを形にする経験をどんどん積んでいったのです。

『未来は5マスで考える』書籍紹介

「一人ひとりの可能性をもっと世の中に!」をコンセプトに、副業で複数の事業を起業し、数万人と出会いキャリアを応援してきた筆者が提唱する「5マス式キャリアマップ」

5マスのキャリアマップと18枚のワークシートで、小さなプロジェクトのアイデアを見つけて、「やりがい」と「お金」を両立する自分らしい人生を実現しよう!

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

『未来は5マスで考える』目次

はじめに

プロローグ あの人はなぜ「自分らしい働き方」を実現できるのか

会社に人生を捧げるだけの時代は終わった
「自分らしく働いている人」をイメージしてみよう
「やりたいこと」ベースではじめる”小さなプロジェクト”
本業を持ちながら別のことに取り組むメリット

第1章 「5マス式キャリアマップ」で自分らしいキャリアを描こう

「5マス式キャリアマップ」とは
5マス式キャリアマップでキャリアの種をみつける方法
小さなプロジェクトの実現に必要な5つの力
「つながる力」が大事な理由
自分を振り返る時間をつくろう

コラム1 僕の人生は「人に会いにいく」ことで変わった 〜同期100人全員に話を聞いて〜

第2章 過去と現在を振り返って「あなたのキーワード」をみつけよう

キャリアの可能性の扉を開こう
ワーク1 自己紹介シートからのキーワード連想
ワーク2 人生のキーワードのリストアップ
ワーク3 人生のモチベーショングラフ
ワーク4 「自分のため」になった瞬間リスト
ワーク5 「誰かのため」になった瞬間リスト

コラム2 「小さなプロジェクト」をいくつも経験して“やりたいこと”を極めていった 〜イベント開催、沖縄への教育実習生派遣、高専生の就職支援〜

第3章 やりがいとお金を両立する「キャリアの種」をみつけよう

自分の可能性に気づく旅へ
ワーク6 「人生の4つのL」で描く未来のビジョン
ワーク7 キーワードの整理
「自分のため」か「誰かのため」かを見分けるヒント
ワーク8 各マスで共通するキーワード探し
ワーク9 「自分のため」と「誰かのため」の両立
オリジナリティのあるテーマに発想を広げるヒント
ワーク10 新たにはじめることリスト
プロジェクトを小さくはじめるヒント
ワーク11 新たにやめることリスト
ワーク12 「どうしてもやめられないこと」の見直し

コラム3 「想いを共有できる場」をもつと夢はどんどん実現していく 〜ビル1棟でコミュニティづくり〜

第4章 「お金」と「収益化」について考えよう

ワクワクするものにお金を使おう
経験することに価値がある
お金は「ありがとう」を形にしたもの
やりがいとお金を両立する収益化のコツ
知っておくと役立つ「ビジネスモデルの基本形」

コラム4 出会いとつながりを120%活かすための「メモ習慣」 〜なぜアイデアが次から次へとわいてくるのか?〜

第5章 行動しながら自分らしいキャリアを実現しよう

実際に行動しながら形にしよう
「副業禁止」でも、お金をもらわずにはじめてみよう
ワーク13 お手本となる人や商品・サービスのリストアップ
ワーク14 企画提案書の作成
ワーク15 「お客さん」探し
ワーク16 「仕入れ先」探し
ワーク17 タスクの洗い出し
ワーク18 振り返りと改善
小さなプロジェクトがうまくいった先の選択肢
アウトソースするほどプロジェクトは成長する

コラム5 想いを「ビジョンシート」にまとめ、どんどん人に会いに行こう 〜人とつながれば、なんだって実現できる〜

付録1 プロジェクトをはじめるときによくある質問
付録2 プロジェクトの成功に必要な業務と外注先
付録3 ワークに取り組む時間割の例

おわりに

感想やコメントをお聞かせください!

本書の感想は、ぜひAmazonのレビューなどでコメントしていただけたら嬉しいです。積極的に声を取り入れて、よりよいものに改善していきたいと考えています。
また、ブログやSNSなどでの投稿も大歓迎です。「#未来は5マスで考える」とつけてください。ワークシートの内容や、取り組みに対するコメントなどをみつけたら、弦本からも積極的にフォローし、応援をさせていただきます。

もちろん僕に直接ご連絡をいただいても喜んでお手伝いします。

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

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本書に関連する講義を法政大学キャリアデザイン学部にて行いましたので、あわせて参考にしていただけたら嬉しいです!

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。