書籍『未来は5マスで考える』好評発売中!!

やりがいとお金を両立する収益化『未来は5マスで考える』(無料公開⑦)

目次

やりがいとお金を両立する収益化のコツ

やりたいことで収益化する方法

僕が一番大切にしているのは自分の「やりたい」という気持ちだとお伝えしました。

しかし、実際にプロジェクトが継続するためにはお金も重要だと考え、収益化にも積極的に取り組んでいます。

僕の実感として「やりたいことそのもの」でダイレクトにお金をもらうのは難しい印象があります。なぜかというと、「好きでやっていることでお金をもらうのは、自分のやりたいことに反するようで違和感がある」気持ちになりやすいからです。

特に、僕は相手の困りごとを解決したくてプロジェクトをはじめることが多いので、その相手から直接お金をもらうことには抵抗を感じることが多いです。

では、どこから収益を得るのか。ひとつのアイデアとしては、困りごとを抱えている本人からではなく、「その周囲」からです。つまり、お金が発生するポイントをずらすのです。

「応援したい相手からはお金をもらわない」方法もある

僕がやっていた副業の1つである「イベント開催」では、僕が応援したかった対象は「音大生、美大生、ダンサーなどの卵」でした。それに対して、お金を払ってもらっていたのは「パフォーマンスを見に来てくれたお客さん」でした。

他には、高専ベンチャーでサポートしたかった相手は「高専生」でしたが、お金はイベントの参加費として「都内のIT企業」からもらっていました。

収益化の対象が本人ではなく、「その周囲」にするという意味が伝わったでしょうか。

「お金が発生するポイントをずらす」とは

再び高専ベンチャーの例ですが、お金が発生するポイントをずらしたパターンを紹介します。

高専生のなかには、卒業して就職する人だけでなく、大学へ編入する人が半数ほどいました。そこで、編入を検討している全国の高専生に向け、高専出身で編入経験のある現役大学生による「編入説明会」を開催したことがありました。

しかし、高専生からも大学生からもお金は得ていません。ではどこで収益化したかといえば、この大学生たちへ向けて、企業による就職説明会を開催し、そこに参加した企業からイベントの協賛費をもらったのです。高専出身の優秀な理系大学生と接触できる貴重な機会なので、企業は協賛する価値を感じていました。

同じ日に同じ会場で就職説明会と編入説明会を開催したため、大学生の拘束時間も最小限でした。高専生にも大学生にも企業にも喜ばれ、僕たちもお金をもらうことができました。

お金が発生するポイントをずらしている例はたくさんある

僕の例以外にも、お金が発生するポイントをずらしているケースは世の中にたくさんあります。

収益を得る相手や時期、商品をずらしている例や、それらの複数を組み合わせた例をいくつか紹介します。

<収益を得る相手をずらす例>

『インフルエンサー』

インフルエンサーは、ブログやSNSなどを使ってユーザーに有益な情報を届けます。企業は広告費をインフルエンサーに支払うことで、彼らに自社の商品やサービスのPRしてもらいます。これは視聴者が無料でコンテンツを見られる仕組みで、収益を得る相手をずらす例といえます。

<収益を得る時期をずらす例>

『起業支援サロン』

月会費1万円で、ビジネスプランをプロと一緒に考えることができるサービスがあります。お金は後から追加で支払う仕組みで、会員のビジネスが年商1千万円を達成したタイミングから、売上の10%を3年間払う決まりです。

これは収益を得る時期をずらす例です。同様のビジネスモデルで、出世払い方式のプログラミングスクールなどもあります。

<収益を得る商品をずらす例>

『ライフプランシート』

スキルシェアサービスでライフプランアドバイザーの副業をしている知り合いがいました。彼は自分の時間には限界があることに気づき、「ライフプランシート」を単体で販売しはじめました。彼のアドバイスのなかで、ライフプランをまとめることが好評だとわかったためです。実際に相談するよりも安い金額で販売しましたが、提供できるサービスには相談時間のような上限がないことから、販売数が伸びて月の売上が3倍以上になったそうです。これは商品の内容をずらしたケースです。

<収益を得る相手や時期、商品を複数にする例>

『出版塾』

書籍を出版すると知名度が高まり収入につながることから、お金を払ってでも出版をしたいというニーズがあります。出版塾では彼らの「出版企画書」の作成を手伝い、出版社に企画を発表するイベントを行い、マッチングすれば実際に出版を行うビジネスをしています。

出版塾は塾生からの受講料に加えて、出版社からイベントの参加費をもらい、さらに出版が実現した場合には印税の一部を追加で受け取ります。

これは、収益を得る相手や時期、商品を複数組み合わせたケースです。

これらの例を参考に、あなたのプロジェクトでも収益を得る「相手」「時期」「商品」のいずれかをずらしたり、その複数を組み合わせたりして、収益化できないかを考えてみましょう。

支出をおさえて利益を作る手もある

これまで「その周囲」から収入を得る方法を紹介しましたが、他にも経費や支出をおさえることで利益を生み出す例があります。

弦本ビルでは通常の不動産と同様に家賃収入を得ていますが、僕はこれを相場よりもすこし安い価格に設定しています。なぜなら、入居者は起業を志す20代の若者たちで、彼らから高額の家賃をもらうのは自分の気持ちに反すると思ったからです。

そこで、家賃を安くするかわりに、ビルの掃除や電球の交換といった管理やリフォームを入居者に協力してもらいました。

また、ビル内のコミュニティ運営にも積極的にかかわってもらうことで、若手起業家が集まるというビルとしての価値を高めてもらいました。

そのおかげで、退去者が出てもすぐに次の入居者が決まる仕組みができました。常に満室の状態となり、空室が出るまで順番待ちが起こることもありました。

空室があると賃料収入は減りますから、不動産投資において入居者の確保は重要です。一般的には、入居者募集では仲介会社や管理会社に依頼をして集客費や手数料を支払うことが多いですが、弦本ビルではそれらの経費はかかりませんでした。

このように、収益化は収入を得ることからだけでなく、支出をおさえることからでも実現できるのです。

まとめ

●お金が発生するポイントをずらすことで収益を得る方法がある

●収益を得る「相手」「時期」「商品」をずらせないかを考えよう

知っておくと役立つ「ビジネスモデルの基本形」

世の中のビジネスモデルはこんなふうになっている

収益化のポイントをずらす方法や、収益化を工夫した例を紹介しました。あなたのプロジェクトでも、お金を生み出せそうだと実感をもてたでしょうか?

もちろん、実際に行動に移してみないとわからないことはたくさんあります。しかし、今の段階で何か1つでも収益化のアイデアが浮かんでいたら、行動して試してみるのがおすすめです。

一方で、「ぜんぜんイメージがわかない」「まったくお金になりそうな予感がしない」という方もいらっしゃるかもしれません。

ビジネスモデルを意識する機会はそこまで多くないでしょうから、それも当然のことです。

ある程度の基本の型を知らなければ、応用はできません。まずはビジネスモデルの基本パターンを知り、あなたのプロジェクトの収益化の参考にしてみてください。

まとめ

●ビジネスモデルには基本形がある

●自分のプロジェクトでどのような収益化ができるかを考えよう

コラム4 出会いとつながりを120%活かすための「メモ習慣」 〜なぜアイデアが次から次へとわいてくるのか?〜

出会いや経験を「その場かぎり」にしないために

リクルートでの本業のかたわら、イベント開催、離島への教育実習生派遣、高専ベンチャー、弦本ビルのオーナー業・コミュニティ運営、執筆活動などに取り組んできた僕。

大小さまざまなプロジェクトに取り組むことで、自分のやりたいことを形にしていく経験を積んできたとお伝えしました。

このようにいろいろなアイデアを次々と思いついたり、行動したりできたのは、1回の経験や人とのつながりを、最大限に「次」へ活かそうとしているからです。

僕は何もないところから面白いアイデアを思いついているわけではありません。何かを思いつく背景には、たくさんのストックがあります。そのストックとは、たとえば本で読んだこと、誰かと会って聞いたこと、参加した集まりやイベントなど、僕が毎日生活するなかで出合ったもののすべてです。

日々いろいろなものにふれ、いろいろな人と会い、いろいろな経験をしたときに、それらをアイデアや行動に結びつけられるかどうかの違いは、「メモの習慣」にあるのではないかと考えています。

いいアイデアは日々のインプットから生まれる

僕は日々、見たものや聞いたもの、学んだこと、感じたことなどをスマホやパソコンでメモしています。対象はあらゆることです。人と話したらその内容を、本を読んだらその内容を、イベントに参加したらその内容をといった感じで、主に箇条書きでまとめています。

外からインプットしたものをいったん自分の中で噛みくだき、自分の言葉でアウトプットすると、経験がより深く自分の中に残ります。アウトプットすることで半永久的に残せるため、後から振り返ることもできます。

この習慣をひたすら続けているからこそ「その話は、以前聞いたあの話と似ているな」「その話は、この事例と組み合わせて応用できるかも」などと、どんどんアイデアが浮かんでくるのです。

誰かと会って話した内容がしっかり残っているので、「これをやるならあの人に声をかけてみよう」と、すぐに思いつくことができます。

思い返せば、僕が取り組んできたさまざまなプロジェクトも、「あのときの何か」をつなげて生み出したものばかりです。

高専ベンチャーをはじめたのも高専生とのふとした雑談がきっかけでしたし、弦本ビルに出合えたのも、営業された提案を断らなかったのがきっかけでした。

アイデアが生まれるチャンスは、いつもどこにでもあると思います。それに気づき活かせるかどうかは、その人のとらえ方次第なのではないでしょうか。

メモの習慣と「次に活かそう」という意識があれば、たくさんのチャンスに気づけるかもしれません。

さらに、まとめたメモは自分だけの知識にせず、誰かに共有して活かすことで新たなチャンスが広がります。

「人に会う」のは最強のインプット

人と会って話すことにはすばらしい学びがたくさんあります。僕は昔から話を聞くのが好きで、躊躇せず相手から根掘り葉掘りいろいろな話を聞いてきました。

この世には一人として同じ人間はいません。相手は誰もが必ず自分と違う経験をし、異なる知識をもっています。自分の知らない世界や考えを聞くのは、一度しかない人生で好奇心を満たす非常に楽しいことなのです。

人と会うときには、たとえその場でメモができなかったとしても、できるだけ記憶が新鮮なうちにまとめるようにしています。そして、まとめたものに学んだことを書き加えて相手に共有すれば、「話してよかった」と思ってもらえます。

SNSなどで送っておけば、次に会うタイミングにやりとりをたどって内容を思い出すことができます。

また、別の人との会話で、共通の知り合いとしてその人の話題が出たときにも、検索して思い出すことができます。

たくさんのことを学ぼうとする姿勢でいると、思いもよらない情報をもらえ次につながることがあります。

聞いた話をまとめる際には、次のヒアリングシートも参考にしてみてください。

『未来は5マスで考える』書籍紹介

「一人ひとりの可能性をもっと世の中に!」をコンセプトに、副業で複数の事業を起業し、数万人と出会いキャリアを応援してきた筆者が提唱する「5マス式キャリアマップ」

5マスのキャリアマップと18枚のワークシートで、小さなプロジェクトのアイデアを見つけて、「やりがい」と「お金」を両立する自分らしい人生を実現しよう!

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

『未来は5マスで考える』目次

はじめに

プロローグ あの人はなぜ「自分らしい働き方」を実現できるのか

会社に人生を捧げるだけの時代は終わった
「自分らしく働いている人」をイメージしてみよう
「やりたいこと」ベースではじめる”小さなプロジェクト”
本業を持ちながら別のことに取り組むメリット

第1章 「5マス式キャリアマップ」で自分らしいキャリアを描こう

「5マス式キャリアマップ」とは
5マス式キャリアマップでキャリアの種をみつける方法
小さなプロジェクトの実現に必要な5つの力
「つながる力」が大事な理由
自分を振り返る時間をつくろう

コラム1 僕の人生は「人に会いにいく」ことで変わった 〜同期100人全員に話を聞いて〜

第2章 過去と現在を振り返って「あなたのキーワード」をみつけよう

キャリアの可能性の扉を開こう
ワーク1 自己紹介シートからのキーワード連想
ワーク2 人生のキーワードのリストアップ
ワーク3 人生のモチベーショングラフ
ワーク4 「自分のため」になった瞬間リスト
ワーク5 「誰かのため」になった瞬間リスト

コラム2 「小さなプロジェクト」をいくつも経験して“やりたいこと”を極めていった 〜イベント開催、沖縄への教育実習生派遣、高専生の就職支援〜

第3章 やりがいとお金を両立する「キャリアの種」をみつけよう

自分の可能性に気づく旅へ
ワーク6 「人生の4つのL」で描く未来のビジョン
ワーク7 キーワードの整理
「自分のため」か「誰かのため」かを見分けるヒント
ワーク8 各マスで共通するキーワード探し
ワーク9 「自分のため」と「誰かのため」の両立
オリジナリティのあるテーマに発想を広げるヒント
ワーク10 新たにはじめることリスト
プロジェクトを小さくはじめるヒント
ワーク11 新たにやめることリスト
ワーク12 「どうしてもやめられないこと」の見直し

コラム3 「想いを共有できる場」をもつと夢はどんどん実現していく 〜ビル1棟でコミュニティづくり〜

第4章 「お金」と「収益化」について考えよう

ワクワクするものにお金を使おう
経験することに価値がある
お金は「ありがとう」を形にしたもの
やりがいとお金を両立する収益化のコツ
知っておくと役立つ「ビジネスモデルの基本形」

コラム4 出会いとつながりを120%活かすための「メモ習慣」 〜なぜアイデアが次から次へとわいてくるのか?〜

第5章 行動しながら自分らしいキャリアを実現しよう

実際に行動しながら形にしよう
「副業禁止」でも、お金をもらわずにはじめてみよう
ワーク13 お手本となる人や商品・サービスのリストアップ
ワーク14 企画提案書の作成
ワーク15 「お客さん」探し
ワーク16 「仕入れ先」探し
ワーク17 タスクの洗い出し
ワーク18 振り返りと改善
小さなプロジェクトがうまくいった先の選択肢
アウトソースするほどプロジェクトは成長する

コラム5 想いを「ビジョンシート」にまとめ、どんどん人に会いに行こう 〜人とつながれば、なんだって実現できる〜

付録1 プロジェクトをはじめるときによくある質問
付録2 プロジェクトの成功に必要な業務と外注先
付録3 ワークに取り組む時間割の例

おわりに

感想やコメントをお聞かせください!

本書の感想は、ぜひAmazonのレビューなどでコメントしていただけたら嬉しいです。積極的に声を取り入れて、よりよいものに改善していきたいと考えています。
また、ブログやSNSなどでの投稿も大歓迎です。「#未来は5マスで考える」とつけてください。ワークシートの内容や、取り組みに対するコメントなどをみつけたら、弦本からも積極的にフォローし、応援をさせていただきます。

もちろん僕に直接ご連絡をいただいても喜んでお手伝いします。

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

関連記事

本書に関連する講義を法政大学キャリアデザイン学部にて行いましたので、あわせて参考にしていただけたら嬉しいです!

記事をシェアしよう
ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。