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企画を具体化する『未来は5マスで考える』(無料公開⑧)

目次

第5章 行動しながら自分らしいキャリアを実現しよう

実際に行動しながら形にしよう

他者の力を借りて実現のスピードを上げる

5マス式キャリアマップを使って、あなたらしいキャリアの種をみつけることはできたでしょうか。

すこしでも「やってみようかな」「面白いかも」と思えるものがみつかっていれば嬉しいです。ここからは、みつけた種をどう育てていくかについて紹介します。

最初に大事なことをお伝えします。ここから先のステップは、いろいろな人の力を借りて進めましょう。「人とつながる」「他者の力を借りる」ことは、自分らしいキャリアを実現するために非常に重要なことです。何かつまずくことがあっても、人の力を借りられればプロジェクトがストップしてしまうことはありません。

僕も、いつもいろいろな仲間や専門家の力を借りてプロジェクトを進めています。

なかには、人に頼ることに慣れていない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「協力して」「教えて」などと言われれば、意外と相手も悪い気はしないものです。

一人でウンウン悩むよりも、誰かに声をかけて手伝ってもらうほうがずっとスムーズに進みます。行動しながら完成させていきましょう。

キャリアの種を形にする6つのワーク

ここからは、いよいよキャリアの種をもとに実際に行動して実現していく段階です。

人それぞれ、やりやすい方法は異なるかもしれませんが、それぞれ具体的に進めていくための方法として、フォーマットを用意しています。

まとめ

●キャリアの種がみつかったら、アイデアを形にしていこう

●一人で悩まず積極的に行動し、人の手を借りることが大事

「副業禁止」でも、お金をもらわずにはじめてみよう

もし勤めている会社が副業禁止だったら

キャリアの種としてぼんやりとしたイメージが浮かんだ人もいれば、早々に具体的なイメージがわいた方もいらっしゃるでしょう。

ところが、よく耳にするのが「会社が副業禁止です」「副業はOKですが、まわりは誰もやっていません」という声です。

就業規定を堂々と破るのは高リスク

前提として、社会全体は副業解禁に向かう流れにあります。行政や経団連なども、従業員に副業を認める方針で企業へ副業解禁を促しています。

僕も、近い将来には副業が当たり前の社会が訪れると確信しています。

しかし、副業禁止の会社に勤めている方は、表立って副業をするのはやめたほうがよさそうです。禁止された副業をすることで、キャリアの種が育たないうちに本業を失うのはリスクが高いからです。

お金を発生させずにできることはたくさんある

しかし、せっかくみつけたキャリアの種をそのままにしておくのはもったいないです。理想のキャリアを実現するために行動に移しておきましょう。

といっても、副業禁止の場合には少なくとも“お金”は発生させないようにしてください。ゆくゆくはお金を生み出せるようになることを目指しますが、今はまだその段階ではないと考えましょう。

アイデアが形になるまでは時間がかかります。まして、安定的にお金を生み出せるようになるのは、かなりの時間が必要です。

「今は将来のお客さんづくり」「お金は後で回収する」と考え、まずは人とのつながりを増やし、経験を積むことを優先しましょう。

あなたのサービスを無償で提供し、モニターとして感想をもらったり体験者の声として紹介させてもらったりするのもいいでしょう。サービスを紹介するサイトでは有料と記載しお客さんのニーズを探りながら、実際に提供するときに無償にすれば、収益化が可能になったタイミングでスムーズに切り替えることができます。

今は有名な企業やサービスも、創業者が会社員時代に小さくはじめたものは多いです。

本業と並行しながら、着々と準備を進めましょう。

まとめ

●副業禁止の場合は、少なくともお金を発生させずにはじめよう

●本業と並行して準備を進め、つながりや経験を増やしておこう

ワーク13 お手本となる人や商品・サービスのリストアップ

所要時間のめやす:30~60分

お手本にしたい相手を探してみよう

まずは、あなたのプロジェクトの参考として、お手本となるような相手を探しましょう。

自分より一歩先を行く人・プロジェクトを参考にすることで、あなたの目指すべき状態をより具体的に思い描くことができます。

お手本は「3つ」設定する

どう探すかというと、まずはあなたのプロジェクトに関連する用語やキーワードを、検索サイト(Googleなど)やSNS(Twitterなど)で検索することからはじめます。

個人がお客さんの場合は、スキルマーケットの『ココナラ』やクラウドソーシングサービスの『クラウドワークス』『ランサーズ』などでも、似たような取り組みをしている人がいないかを探すことができます。

お手本となる人や商品、サービスがみつかったら、プロフィールや商品・サービスの内容、紹介文、料金設定、評判などを確認して、一覧にまとめます。実際に商品やサービスを利用してみてもよいでしょう。

お手本は少なくとも3つあると、相場を把握しやすくなります。

一覧にして比較・整理しよう

お手本がいくつかみつかったら、次に自分の商品・サービスで参考にしたい点と、逆に取り入れたくない点を考えてみましょう。

その人たちが「やっていること」や「価格帯」、「SNS・ブログ、サイト、インタビュー記事などのリンク」もあわせて整理しましょう。一覧にすればいつでも見られ、比較するときも便利です。

作業を進めるうちに、あなたの小さなプロジェクトのイメージが一気に具体的になってくるはずです。

最初からオリジナリティを目指さない

新しいプロジェクトをはじめるときは、お手本を参考にしながらも自分らしさを追求したくなり、大きくアレンジしたい気持ちになるかもしれません。

しかし、人が考えるアイデアはたいてい共通しているものです。お手本にした相手が取り入れていない内容は、需要がないからやめたかもしれませんし、技術的に難しい可能性もあります。

自分らしさを出して、最初からオリジナリティを目指したくなる気持ちはよくわかります。しかし、まずはお手本が先行している内容、つまり“王道”からは大きく遠ざけずにはじめるのがコツです。

完全に真似することが問題となる場合はもちろん避けますが、素直にお手本を参考にするのがおすすめです。

芸事や武道の世界にも「守破離」(しゅはり)という言葉があります。最初は「守」、まずは先人のやり方を素直に真似してみる。そして身につけた基本を次の段階で「破」、すこしずつ変えてみる。そうすることで最終的には「離」、自分らしい型が身につくというものです。ビジネスにおいても守破離の概念は大切です。

ライバルではなく「仲間」と考える

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、このお手本は、見本・先輩であると同時に、「ライバル」「競合」とも言えます。

GoogleやAmazonといった大きな企業がライバルに見えることがあるかもしれません。しかし、そのような大企業に勝とうとするのはやめましょう。大企業に対しては、むしろ小回りのきく個人として、大企業の商品・サービスをうまく活用して、自分の商品やサービスに取り入れられないかを考えましょう。

また、あなたと同じような個人や小さな会社をお手本にした場合も、すぐにライバルだと意識する必要はありません。ビジネスの余地があるということですから、それだけ市場もあるということです。

むしろ同じビジョンを描く仲間として、お互いに協力し合えないかを考えてみましょう。一緒に業界に関する勉強会をしたり、合同でイベントを開催したりするのもいいでしょう。

大企業であれば、たとえ大きくても限られた市場のなかで、競合と差別化しシェアをとっていくことは正しい戦略です。

しかし、個人や小規模な会社にとって、お客さんの取り合いをするのは大変なことです。共に協力し合うことで一緒に大きな市場を開拓し、その成果を分かち合うほうがよほど合理的なのです。

まとめ

●お手本となるような人・商品・サービスを探し取り入れよう

●「ライバル」と考えず、同じビジョンを描く仲間と考えよう

ワーク14 企画提案書の作成

所要時間のめやす:30~60分

あなたの想いを伝える企画提案書

実際に行動しはじめると、あなたがやりたいと思っていることを人に説明する機会が増えます。

そのために作っておきたいのが「企画提案書」です。名前だけを見ると立派なものを想像してしまうかもしれませんが、心配はいりません。

ようは、あなたがやりたいことを説明するための資料です。口頭では伝えきれないことやビジュアルで見せたほうがわかりやすいものもあるはずです。そういったものと、基本的な情報とをまとめた資料だと考えてください。

形式にこだわらなくて大丈夫

形式は、かたくるしいものにこだわる必要はありません。場合によっては1枚の紙にまとめたほうがいいときもあります。あるいは、パワーポイントなどでスライドにまとめたほうが伝わりやすいこともあるでしょう。

企画提案書を作成するのに一番かんたんな方法は、お手本となるような類似サービスのフォーマットを参考にすることです。

「○○(サービスの内容)_企画提案書」「○○(サービスのキーワード)_企画提案書」などと検索すれば、たくさんの資料がみつかります。それらを参考にデザインを作成し記載されている項目を追加していきます。

基本の型を作り、その都度アレンジして使う

紹介するフォーマットでは、企画提案書に書きたい基本的な項目をいくつかあげていますが、立派なものをつくろうとしなくて大丈夫です。書きやすい項目から書いていきましょう。

資料を作成する際は、まずは書きたい内容を事前に箇条書きで書き出すのがおすすめです。最初から立派なデザインにせず、テキストで書いてからスライド化・ビジュアル化するのです。

また、資料は一度作っておけば、用途に応じてその都度アレンジすることができます。

自分が伝えたいことよりも、相手が聞きたいことを意識する

資料を作成するときは、自分が伝えたい内容ではなく「相手が知りたいこと」を意識して作るのが重要です。

たとえば、お客さんの候補に提案をする際には、その業界や企業でよくある課題や、商品・サービスの提供価値、料金、実績などが興味をもたれやすいでしょう。

一方、仲間や仕入先探しをする場合には、プロジェクトの概要やサービスの提供価値、お客様の声などが求められるかもしれません。

初めて会う相手か顔見知りかによっても、詳しく知りたい内容は異なります。相手や状況によって、書くべき内容や説明する順番をアレンジしましょう。

まとめ

●「企画提案書」はあなたのやりたいことを伝えてくれるもの

●自分が伝えたいことよりも、相手が知りたいことを意識しよう

『未来は5マスで考える』書籍紹介

「一人ひとりの可能性をもっと世の中に!」をコンセプトに、副業で複数の事業を起業し、数万人と出会いキャリアを応援してきた筆者が提唱する「5マス式キャリアマップ」

5マスのキャリアマップと18枚のワークシートで、小さなプロジェクトのアイデアを見つけて、「やりがい」と「お金」を両立する自分らしい人生を実現しよう!

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

『未来は5マスで考える』目次

はじめに

プロローグ あの人はなぜ「自分らしい働き方」を実現できるのか

会社に人生を捧げるだけの時代は終わった
「自分らしく働いている人」をイメージしてみよう
「やりたいこと」ベースではじめる”小さなプロジェクト”
本業を持ちながら別のことに取り組むメリット

第1章 「5マス式キャリアマップ」で自分らしいキャリアを描こう

「5マス式キャリアマップ」とは
5マス式キャリアマップでキャリアの種をみつける方法
小さなプロジェクトの実現に必要な5つの力
「つながる力」が大事な理由
自分を振り返る時間をつくろう

コラム1 僕の人生は「人に会いにいく」ことで変わった 〜同期100人全員に話を聞いて〜

第2章 過去と現在を振り返って「あなたのキーワード」をみつけよう

キャリアの可能性の扉を開こう
ワーク1 自己紹介シートからのキーワード連想
ワーク2 人生のキーワードのリストアップ
ワーク3 人生のモチベーショングラフ
ワーク4 「自分のため」になった瞬間リスト
ワーク5 「誰かのため」になった瞬間リスト

コラム2 「小さなプロジェクト」をいくつも経験して“やりたいこと”を極めていった 〜イベント開催、沖縄への教育実習生派遣、高専生の就職支援〜

第3章 やりがいとお金を両立する「キャリアの種」をみつけよう

自分の可能性に気づく旅へ
ワーク6 「人生の4つのL」で描く未来のビジョン
ワーク7 キーワードの整理
「自分のため」か「誰かのため」かを見分けるヒント
ワーク8 各マスで共通するキーワード探し
ワーク9 「自分のため」と「誰かのため」の両立
オリジナリティのあるテーマに発想を広げるヒント
ワーク10 新たにはじめることリスト
プロジェクトを小さくはじめるヒント
ワーク11 新たにやめることリスト
ワーク12 「どうしてもやめられないこと」の見直し

コラム3 「想いを共有できる場」をもつと夢はどんどん実現していく 〜ビル1棟でコミュニティづくり〜

第4章 「お金」と「収益化」について考えよう

ワクワクするものにお金を使おう
経験することに価値がある
お金は「ありがとう」を形にしたもの
やりがいとお金を両立する収益化のコツ
知っておくと役立つ「ビジネスモデルの基本形」

コラム4 出会いとつながりを120%活かすための「メモ習慣」 〜なぜアイデアが次から次へとわいてくるのか?〜

第5章 行動しながら自分らしいキャリアを実現しよう

実際に行動しながら形にしよう
「副業禁止」でも、お金をもらわずにはじめてみよう
ワーク13 お手本となる人や商品・サービスのリストアップ
ワーク14 企画提案書の作成
ワーク15 「お客さん」探し
ワーク16 「仕入れ先」探し
ワーク17 タスクの洗い出し
ワーク18 振り返りと改善
小さなプロジェクトがうまくいった先の選択肢
アウトソースするほどプロジェクトは成長する

コラム5 想いを「ビジョンシート」にまとめ、どんどん人に会いに行こう 〜人とつながれば、なんだって実現できる〜

付録1 プロジェクトをはじめるときによくある質問
付録2 プロジェクトの成功に必要な業務と外注先
付録3 ワークに取り組む時間割の例

おわりに

感想やコメントをお聞かせください!

本書の感想は、ぜひAmazonのレビューなどでコメントしていただけたら嬉しいです。積極的に声を取り入れて、よりよいものに改善していきたいと考えています。
また、ブログやSNSなどでの投稿も大歓迎です。「#未来は5マスで考える」とつけてください。ワークシートの内容や、取り組みに対するコメントなどをみつけたら、弦本からも積極的にフォローし、応援をさせていただきます。

もちろん僕に直接ご連絡をいただいても喜んでお手伝いします。

未来は5マスで考える

※印刷用のワークシートは こちら からダウンロードできます

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本書に関連する講義を法政大学キャリアデザイン学部にて行いましたので、あわせて参考にしていただけたら嬉しいです!

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。